国土交通政策研究所は、7日に行った研究発表会で、定住傾向などについての研究から、災害避難所に遠すぎれば定住志向が弱まるものの、近すぎても人気がないことなどを発表した。研究員も「意外だった」などと指摘した。
當麻雅章研究員が行った都市の特性からみた定住傾向の調査研究は、都市機能の維持や人口動態と住宅特性の関係性の調査を目的とした。
徒歩圏内における日常生活サービスの充実度や歩道設置率、空き家の割合、公共交通機関の分布などを分析。医療施設や商業施設、敷設された歩道、公共交通の利用は、いずれも増加すれば転入も超過する相関関係にあった。
空き家は、逆に多ければ転入が低くなった。さらに、15都市が行っている各自治体独自の定住意向についてのアンケートも分析した。
分析によると、自治体の調査で「住み続けたい理由」の上位5位に含まれている項目で、最多となったのは、「自然環境に恵まれている」「自然環境が豊かで景観が美しい」など自然環境についての項目だった。
「買い物が便利だから」という買い物の利便性、「持ち家があるから」といった住宅事情や家族・親戚との関係性、「地域に愛着がある」など愛着の項目が続いた。