
大手金物メーカーのBXカネシン(東京都葛飾区、二村一久社長)は10月2日、木造軸組構法住宅用の『DIT制震筋かい金物』を発売した。『DIT制震筋かい金物』は筋かい金物の機能と制震機能を併せ持つもので第一工業大学と横浜国立大学の関係者が開発、BXカネシンが開発に協力した。適切数取り付けると地震時の躯体の揺れを最大75%軽減でき、その最大の特徴として、(1)同社の既存品である木造用ダンパー式制震システムと比べ導入コストが半額以下(2)通常の筋かい金物の代替品として取り付けられる高い施工性――が指摘できる。戸建住宅に対する制震システムの採用は、一部の住宅事業者が標準化する一方、新築着工の大部分を占める木造住宅全体でみれば、導入コストが最終価格を押し上げることが主な理由となり、一般化していないのが現状だ。『DIT制震筋かい金物』はこのコストの問題を解決したため、今後、標準採用する木造住宅事業者が全国的に増加すると思われる。BXカネシンでは『DIT制震筋かい金物』の拡販に注力し3月までに初年度として累計3万5千個(1戸あたり20個使用で1750戸分)、2018年度24万個(同1万2千戸分)、19年度36万個(同1万8千戸分)の販売を目指す。『DIT制震筋かい金物』を開発した第一工業大学教授で工学博士の古田智基氏と、全国販売を行うBXカネシンを取材した。