最大250万円の中小企業向け給付金「事業復活支援金」の申請受付が1月31日より開始しています。既に非常に多くの事業者が申請に取り掛かっているようですが、場合によっては申請対象外とされることもあります。そこで今回は事業復活支援金の注意点について解説します。
まず、一番に気を付けるべきは『給付条件を満たしているかどうか』です。新型コロナウイルス感染症による悪影響が出て売上が減っている必要があります。具体的には以下いずれかの影響によって需要の減少または供給の制約を受ける必要があります。「国や地方自治体による、自社への休業・時短営業やイベント等の延期・中止その他のコロナ対策の要請」「国や地方自治体による要請以外で、コロナ禍を理由として顧客・取引先が行う休業・時短営業やイベント等の延期・中止」「消費者の外出・移動の自粛や、新しい生活様式への移行」「海外の都市封鎖その他のコロナ関連規制」「コロナ関連の渡航制限等による海外渡航者や訪日渡航者の減少」「コロナ禍を理由とした供給減少や流通制限」「顧客・取引先が上記のいずれかの影響を受けたこと」です。
売上減がコロナによるものであることの証明書類の提出はありませんが、万が一事務局に説明を求められた場合に備えて保存しておきましょう。
次に気を付けるべきことは『算出方法』です。選んだ対象月によっては売上が前年より下がっていても対象外となる場合があります。
前回もご紹介しましたが、給付額=「基準期間の売上高」―「対象月の売上高」×5となります。対象月は「21年11月～22年3月のいずれか」で、基準期間は「18年11月～19年3月、19年11月～20年3月、20年11月～21年3月のいずれかの期間のうち、対象月を含む期間」です。
下表の場合、21年11月の売上が19年同月の売上と比較して50%以上減少しているため、この月を対象月とします。基準期間は「19年11月～20年3月」となります。給付額は1350(19年11月～20年3月の売上高合計)―120(21年11月の売上高)×5=750万円となりますが、申請者が年間売上高2億円以下の法人だった場合、上限額の150万円となります。
なお、30%以上減少した対象月があったとしても、基準期間の売上高が対象月の売上高×5より下回っていた場合、給付額はマイナスとなるため申請はできません。表の場合、21年12月の売上が200万円で18年12月の売上が400万円のため50%以上減少となりますが、給付額は930(18年11月～19年3月の売上高合計)―200(21年12月の売上高)×5=―70万円となるため、申請不可となります。
最後に気を付ける点は『事前確認』です。給付金詐欺や対象ではない企業の申請を防ぐため、指定登録確認機関が申請者が受給対象かどうかの確認を行います。事前確認では提出書類を確認します。月次支援金・一時支援金の時は「売上台帳がルールを無視した作りになっている」「面談時に揃えていない」とのケースがありました。登録確認機関は公的機関が行っているわけではなく、無償で行っている善意の民間事業者が大半です。そのため失礼がないよう事前に必要書類を揃えた状態で面談に臨みましょう。登録確認機関によっては自分の顧客だけサポートしてそれ以外の申請者の事前確認を断るケースも多く、登録確認機関を探すのに苦労することもあります。
しっかり準備を整えないまま申請に臨むと、それだけ事務局の審査と給付に時間がかかり、他の申請者に迷惑をかけることにもなります。算出方法が正しいか、書類をきちんと揃えているか等逐一チェックしておきましょう。
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株式会社ナビット(https://www.navit-j.com/)
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