
都市部に林立する高層建築の壁や窓を新たな発電資源へと転換する取り組みが具体化してきた。YKKAP(東京都千代田区、魚津彰社長)とパナソニックホールディングス(大阪府門真市、楠見雄規社長、パナソニックHD)は、大阪市中央区のYKKAPが入居する谷町YFビルにおいて、ガラス型ペロブスカイト太陽電池を組み込んだ建材一体型太陽光発電(BIPV)の実装検証を開始した。
期間は2025年11月20日から約1年を予定し、施工性や透過性、意匠性、視認性を確認する。パナソニックHDが内窓設置で同電池の実装検証を行うのは国内初となる。
両社の協業は、これまでの経緯を踏まえた新しいステップだ。YKKAPは24年6月に「内窓タイプのBIPV投入」を発表。既存建物への導入を視野に入れ、太陽光発電を電力会社の送配電網に物理的に接続する「系統連系」の実証を進めてきた。
一方、パナソニックHDは同年8月、当初28年を想定していた事業化時期を26年へ前倒しすると公表し、技術開発の加速を示した。今回の実装検証は、両社がそれぞれの強みを持ち寄り、系統連系は行わず、都市部での太陽光発電拡大に向けた実用化の道筋として重要な外観、周囲の景観との調和やユーザーの使用感などを評価することを目的としている。








