
住宅展示場運営のファジー・アド・オフィス(東京都新宿区、梶谷文明社長)が注力するDX戦略。着手のきっかけは、コロナ禍以前の2019年まで遡るという。
住宅取得検討者の情報収集手段として「インターネット」が定着し始めたころ、「展示場のサイトから他のページへ移動するのを食い止める。離脱率を下げる」ことを目的に、来場予約システムや掲載コンテンツの充実を図った。
その成果は、20年の同社アンケートで、展示場来場のきっかけとして「ウェブサイト」と回答した人がそれまで最多だった「新聞の折り込みチラシ」を上回ったことからも推察できる。同社は現在、DXの導入で顧客体験価値の向上と検討作業の効率化を目指している。
同社のDXで最も効果がわかりやすいのが「オンラインエントリー」だろう。
オンラインエントリーは、展示場のサイトからマイページが作成できるサービス。マイページには、名前や連絡先、現住所のほか、現在の居住形態、同居人数、世帯年収、住宅取得計画の有無などが登録できる。さらに、サイト上からモデル棟の見学予約やカタログ請求、土地探し依頼、間取り設計依頼などが行える。