「私が局長である間は、後退することなく進めていく」。7月に就任した淡野博久局長は、カーボンニュートラル実現に向けた取り組みについて、新任会見で述べた。
カーボンニュートラルの重要性についてまず、「エネルギー安全保障上の観点がある」と指摘する。「海外から輸入する化石燃料に依存する構造はできるだけ改めていかねばならない」ことが理由。次に挙げるのは、「災害の激甚化・頻発化」への対策として。毎年のように上陸する勢力の強い台風や線状降水帯の形成など、これ以上深刻化させないためという。また、「地球温暖化への対応は、率先してその姿勢を示し、他国に後れを取らないように、また世界的にその活動が進むようにすることが、結果的に気候変動による日本への影響を抑制する」と、自身の考えを根拠を示しながら語る。
その上で、「カーボンニュートラルの必要性と意義は決して後退するものではない」といい、与党自由民主党の総裁選びの動きが活発な中、自身が省エネ対策を推進してきたことからも、「(どんな政権になっても)今後も後退することなく(対策を)進める」ことに重きを置く。