パナソニックホームズ(大阪府豊中市、井上二郎社長)は1日、伊香賀俊治慶應義塾大学理工学部教授と井上浩義同大学医学部教授と共同で技術発表会を開催し、住宅用全館空調システムやHEPAフィルター付き換気システム搭載住宅が、睡眠の質向上や血圧低下、居住者の肺年齢の低下抑制などの健康状態に影響を与えそうだと発表した。
室内温熱環境を18℃以上に保つことで起床時の最高血圧を4・1ミリ低下させたり、室内のPM2・5濃度を外気よりも8割以上低くすることで、肺年齢の加齢速度が予測と比べて54%抑制するなどの効果が期待できるとした。
パナソニックホームズは「(現時点では)営業担当者が健康価値と商品を紐付けて、消費者に訴求するのは(法令順守の面で)難しい」としつつ、「研究の深掘りを続け、居住者の健康・快適・安心・省エネを提供し続けたい」との意向を示した。
実証結果は、同社が創業以来こだわり続けてきた良質な空気環境の「健康価値」について、実際の住宅を使った長期にわたる精緻なデータ収集・分析によって『可視化』したかっこうだ。
特に、住宅の空気質については「人が最も多く体内に取り込んでいるのは『空気』。そして、生活時間のうち約60%を家の中で過ごす」との考えに基づき、1961年に開発・発売した同社住宅の原点ともいえる「松下1号住宅」には既に、自然換気口を採用していた。