2017年07月27日 |

地震や災害に強い木造構法として「TIP構法」が世に知られたのは1993年1月。東京工芸大学建築学科の上西秀夫教授(当時)が中心となり、TIP構法の普及を目的とする日本TIP建築協会が設立されてからだ。同構法は構造力学の原理を応用し、筋かいを固定するガセットプレート(構造用合板)を使用し、外壁の下地板を斜め45度に張ることで、従来の木造建築と比較しても数倍の強さを発揮するといわれている。現に、阪神・淡路大震災(95年1月)、新潟県中越地震(04年10月)、東日本大震災(11年3月)、熊本地震(16年4月)などにおいて、同構法で建築された住宅については、大きな被害が見られなかったという。協会発足から24年。延べ9千棟を超える施工実績をもつTIP構法を改めて検証してみた。