最長2・5㍍のオーバーハング(下階より上階が張り出した構造)が可能。駐車スペースの上を居室にするなど、敷地の有効活用が図れる。主要な構造部材には、自動車にも使われるカチオン電着や樹脂塗装など2種の防錆処理を実施した。
フレキシブルな空間設計
壁の中に収まるH形鋼の柱を使用するので、室内に柱の出張りがなく家具レイアウトも容易。250㍉モジュールで敷地を有効に活用しつつ、多彩な屋根形状の実現や高さ制限、斜線制限などの規制をクリアする。都市部のさまざまな規制の中で最大限の居住スペースを確保し、敷地の可能性を最大限に引き出せる自由設計が特徴だ。
一方の『カゾク・ト・カゾク』は213万戸を超える同社住宅の建築主への研究を基に、9つの形態の多世帯同居を事例としてまとめた。この実例を参考に、暮らしのイメージを膨らませてもらい、次にiPadアプリを活用した新たなコミュニケーション手法によって、ゲーム感覚で楽しみながら多世帯の住まいづくりを進めてもらう。
アプリでは、まず家族構成を整理するため、家族それぞれのキャラクターを選択。次に、暮らしのシーンや空間の共有・分離を「いつも」、「ときどき」、「思い思い」に分類して、家族の距離感を独自指標の「重なり度」として表現する。
その上で「アイデアプラン集」や設計アイデア「GOOD IDEA30」を活用して問題解決を図る。