
クリナップ(東京都荒川区、竹内宏社長)は3月、同社の「おいしい暮らし研究所」がキッチンと暮らしの変化を調べるため毎年実施しているアンケート調査の最新版として「キッチン白書2021」を公開した。
調査は1月、フルタイムの共働きで同居家族がいる全国400人の30~60歳代の既婚女性を対象に実施。アンケートでは、自宅のキッチン空間で気分を盛り上げるために行っていること、などの質問のほか、昨春から始まった新型コロナウイルスの感染拡大を念頭に「新型コロナウイルス感染症の流行を経験して、自身や家族が自宅暮らしに求めるようになったことのうち、この流行が終息した後も続くと思うことは」との設問を設け、〝アフターコロナ〟のニーズを探った。
前述の設問の回答(複数回答)の結果は回答率の高い順に、1位「自宅の居心地を大事にしている/したい」、2位「室内の換気、温度調節に気をつけている/気をつけたい」、3位「自宅内で家族と楽しんでいる/楽しみたい」となり、このほか「食事を簡易に作る工夫をしている/したい」「これまで作らなかった料理にチャレンジしている/したい」――などにも回答が集まった。いずれも回答動機の背後には、新型コロナウイルスへの感染予防で社会に浸透した外出自粛と在宅勤務などがあるとみられ、安全・安心に過ごせる自宅の室内空間で家族とのコミュニケーションや料理を楽しみたい、との欲求を示したものといえる。
家庭における「食」という行為を、単に〝食べる〟〝調理する〟といった段階から、いかに「暮らしを豊かに」することへ結び付けられるか。食と調理に密接に結びついているキッチンが担っている役割の重要性は、コロナ禍でさらに高まったといえるだろう。