【まちづくり特集2018】空き店舗の有効活用や被災地の集団移転、まちづくり法人表彰の受賞者が決定

国土交通省は毎年6月を「まちづくり月間」と定め、まちづくりに関する啓発活動を実施している。主な行事のひとつが、魅力的な地域づくりやまちづくりに取り組むまちづくり法人の先進的な事例をたたえ、好事例として広く紹介する「まちづくり法人国土交通大臣表彰」だ。

今回から部門別だった表彰が統合され、最高賞の国土交通大臣賞1件、審査委員長賞3件が選ばれた。15日には表彰式が行われる。

国土交通大臣賞を受賞したのは、八王子駅周辺の空きテナントを使い、アートやデザインの力で中心市街地の活性化に取り組むNPO法人AKITEN(東京都八王子市、及川賢一代表)。及川さんは、今回の大臣賞の受賞の一報を聞き「アート関連の活動はこれまで、文部科学省などが評価してくれるケースが多かったが、堅いイメージのある国土交通省から評価されたというのが素直にうれしい」と喜んでいる。

商店街は、店舗が閉店すると訪れる客足が減り、さらに他の店舗の閉店を促す「負の連鎖」が発生してしまう。八王子駅周辺も2012年頃は空きテナント率が15%を超えていたという。危機感を持った及川さんは、まちなかの空きテナントを若手アーティストの表現の場、イベント会場などに使えないかと考え、12年に活動を始めた。

及川さんが空きテナントの所有者と交渉し、アーティストの活動の場を作る。空きテナントのオーナーにとっては、空間の提供が空きテナントの宣伝にもつながる。1年以上借り手が見つからなかった空きテナントが、イベント終了後、すぐに入居者が決まるケースも増えている。16年には空きテナント率が10%まで減少した。

現在は、八王子駅から西八王子駅そばの築39年の4階建てマンションに活動拠点を移し、アーティスト向け住居の提供なども始めた。既に、空きテナントを活用する際の運営マニュアルも完成しており、水平展開の準備も整っている。

2018年06月07日付11面から抜粋
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2018年12月25日 住宅産業新聞社 編集部

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