
住宅メーカーのIT化は新たな段階を迎えている。すでに営業の現場においてタブレット端末を活用する動きは一般的となっているが、営業の支援に留まらず施工管理やアフターサービス、働き方にまで影響を与えるように進化している。消費増税の反動による受注環境が厳しい中で、効果的なITの活用は単に受注獲得に留まらない。
積水ハウスは、社員が所有するタブレット端末で主な業務の処理を行えるようにし、現場で最新情報を引き出すことができるようになっている。営業はもちろん、設計、工場、施工、アフターメンテナンスのいずれも現場レベルで、リアルタイムに処理することが可能。問題が起きた場合には、その場で報告をあげ、それを共有してすぐに課題解決策をフィードバックできる。
大和ハウスは、2011年秋からiPadを導入した。住宅営業マンや管理職から順次貸与を開始し、全営業マンへの導入していった。iPadの導入で、営業マンが顧客からの「想定外」の問い合わせにもその場で資料が提示でき「現場から便利になったとの声があがっている」(同社)という。また、展示場の来場時に顧客情報を取得するためにiPadによるアンケートや簡単な資金計画シミュレーションを行うほか、意外にも「営業現場では好評」(同社)だったのは、商談中に子どもが飽きないようするためのゲーム機としての活用だ。