積水ハウス(大阪市北区、仲井嘉浩社長)が、「ポストコロナを見据えた次世代の戸建住宅の室内環境提案」(野間賢総合住宅研究所長)と位置付ける『SMART-ECS(スマート・イクス)』。コロナ禍がもたらす「新しい生活様式」にあって、快適な室温を維持しながら、常に生活空間の空気を清浄に保てる設計提案で、住む人の健康維持に貢献する。さらに、家族の感染時にも対応できるプランも用意した。
スマート・イクスは、機器面では、高機能熱交換型換気システム「アメニティー換気システムⅣ」と天井付空気清浄機「エアミー」を搭載している。これらを活用しつつ、空間設計では「換気ゾーニング」を採用。換気によるきれいな空気が、生活空間であるLDKに給気され、そこを風上に建具の通気スペースを通り、非生活空間である玄関や土間空間に流れるように設計する。
帰宅してすぐにうがいや着替えができるように、玄関に入ってすぐの場所に手洗いを設置する「チェンジングルーム」も提案。換気ゾーニングと同様に、外の汚染物質を落とし、居室に入れないとの考えに基づく。
「邸別換気シミュレーション」は、熱流体解析ソフトと独自の住宅設計CADと連携させることで、各戸別の換気計画のシミュレーションを可能にした。設計段階から、普段目に見えない空気を〝見える化〟する。「きれいな空気の広がり、流れを可視化することで、住宅プランに適した設計を合理的に提案する」(同社)としている。
「自宅療養配慮プラン」は、家族が感染症になった時への備え。2階の寝室を「自宅療養対応寝室」に想定。玄関からLDKを通らず寝室まで行ける独立した動線を確保するとともに、寝室には洗面やトイレを備え、極力ほかのゾーンに移動することなく生活できるよう配慮した。