
YKKAP(東京都千代田区、堀秀充社長)とYKK(東京都千代田区、大谷裕明社長)を傘下に持つYKKグループは1日、両社の国内部門に勤務する正社員の定年退職制度を廃止した新人事制度の運用を始めた。
公的年金の支給年齢引き上げや若年就労人口の減少などを背景に、定年年齢や再雇用後の上限勤務年数を延長する企業は珍しくないが、ここからさらに踏み込んで定年制を撤廃し「退職時期を自分で決める」(YKKグループ)人事制度の導入は異例といえる。
新人事制度導入の背景についてYKKAPを取材した。
YKKグループが新人事制度導入の発表を行ったのは3月3日にオンラインで実施した、YKKグループ第6次中期及び2021年度経営方針発表の場だった。
YKKグループはファスナー事業を行うYKKとArchitectural Products事業を展開するYKKAPで構成されており、グループ全体の社員数は1万8千人。このうちYKKAPは1万2千人の社員を擁する。
これまでYKKAPの人事制度は、個々の社員が会社から年度ごとに付与される「役割」(YKKAP)が具体的な目標に落とし込まれ、役割・目標に対する結果を評価し賃金に反映する形態として運用されてきた。