たてもの、債務超過で業務停止に=継続困難の場合は他の保険法人が事業承継

国土交通省は31日、住宅瑕疵担保責任保険法人「たてもの株式会社」に対して、同社が債務超過状態にある事実が認められ、住宅瑕疵担保履行法第30条第2項第1号に規定する「保険等の業務を適正かつ確実に実施することができないと認められるとき」に該当するとして、同日付で業務停止命令および監督命令の行政処分を行ったと発表した。これにより、たてものは、住宅瑕疵担保責任保険契約の申込受理や保険料請求・収納などの業務を9月1日から同月30日までの期間停止する。

住宅瑕疵担保保険市場への参入が6社中で最後発の同社は、市場シェアの獲得で苦戦。7月16日、事業再構築を理由に同社として自主的に8月末までの期間の新規保険受付中止を発表、期間中、提携を含む財務体質の改善策を模索していた。国交省の今回の措置は、同社として自主的に業務停止を設定した8月末までに、自社努力で具体策をまとめられなかった事態を監督官庁として重くみて行政処分の形を取り現状を発表することで、保険利用者の不利益予防を図る意図があるとみられる。

国交省は行政処分発表後に記者会見を行い、たてもの株式会社の現状を説明した。それによると債務超過額は同社2011年6月期業績時点で1億7千万円。契約者数は442事業者で住宅瑕疵担保責任保険契約数(任意保険を含む)は1万405件。このうち新築に義務化されている1号保険の住宅瑕疵担保責任保険契約戸数は新築戸建て538戸、新築共同住宅9040戸で、1号保険市場に占める同社のシェアは0・8%。

たてもの株式会社は9月末までの業務停止期間中に、引き続き財務体質改善の具体化に向け取り組みを続けるが、期間末までに具体的な改善策を取りまとめられず国交省が同社の業務継続を不可能と判断した場合は、同社の保険契約引受を含む事業承継先として他の住宅瑕疵担保責任保険法人を1社指定する措置を国交省が行う。

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2018年12月25日 住宅産業新聞社 編集部

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