2015年度に見直す住生活基本計画

市町村によるサ高住の供給誘導

地方都市を中心に郊外へ住宅や商業・医療施設が拡散し、中心市街地が衰退するという現象が起きているが、人口減・高齢化を踏まえ中心市街地に住宅などの施設を集約させる「コンパクトシティ化」を打ち出している。広く点在する住民に対して、公共交通などのサービスを自治体が提供するのはコストがかかりすぎ、効率も悪い。高齢者が中心市街地で住まう拠点としてコア施設となるのが、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)だ。

サ高住の供給は民間主体で行われ、物件は都道府県に登録される。一方、コンパクトシティ化では、都市再生特別措置法に基づく市町村が策定する「立地適正化計画」によって住宅などの誘導が行われる。コンパクトシティ化の観点から市町村によるサ高住を誘導する手法がないことから、国土交通省では補助事業を通じて誘導を行うことを検討している。そのために住生活基本計画の見直しによって市町村の役割を明確にする。

サ高住の現状をみると、サ高住は2014年11月末時点で全国に16万3160戸、5070棟登録されている。国交省が立地条件を分析すると、首都圏・近畿圏は、原則としてまちなかにサ高住が立地している一方、九州地方や中山間地域などの地方部では市街化区域外やDID(人口集中地区)圏外での立地が多かった。また、鉄道駅やバス停からのアクセスも沖縄や東北地方などの地方部において課題があるとした。

また、厚生労働省は25年をメドに地域の医療・介護施設などが連携して住み慣れた地域で高齢者が生活できるよう支援する「地域包括ケアシステム」の実現を目指している。ここでもサ高住は中核施設として位置づけられており、この観点からも市町村がサ高住の供給に関与する必要性がある。

このため、国土交通省は3月上旬にも補助事業の見直しなどの具体策をまとめる方針だ。

2015年01月01日付5面から抜粋
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2018年12月25日 住宅産業新聞社 編集部

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