【夏季特集2018】移住・住みかえ支援機構=高耐久住宅使い回せ、子育て用を必要とする家族へ

斉藤「子育て」という当初の目的を達成した住宅を、その後どのように活用するのか、住宅取得時にきちんと考えておく必要がある。長期優良住宅の寿命は長い。劣化対策等級3の住宅の寿命を90年とした場合、きちんと手入れをすれば子や孫の世代まで使える設定だ。

子や孫は、親が取得した住宅には住まないかもしれない。しかし、JTIの制度を利用すれば、貸して家賃収入が得られる「資産」としての住宅を残せる可能性がある。

JTIの借り上げ制度を活用して転貸中の住宅が、18年4月末時点で851件ある。これらの住宅は、毎月平均8万円程度の家賃収入を得ている。1年で約100万円、10年で約1千万円の収入になる。高耐久の住宅は、運用次第で資産になるという実例だ。

築27年・駅徒歩13分でも転貸可能

実際、JR横浜線淵野辺駅から徒歩13分の築27年、軽量鉄骨造2階建て、建物面積約120平方メートル、4LDKの戸建住宅は、2007年から11万5千円で転貸している。現在までの約11年間で1300万円の家賃収入を得た計算だ。

家賃収入を考えると、空き家にすることは、なんてもったいないことなんだと思うはずだ。誰も住まないのなら、その住宅を必要とする誰かに貸せばいい。良質な住宅が普及すれば、空き家問題も解消するかもしれない。

このように、長期優良住宅の場合は、25年は持ち主が子育てのために使い、その後は、ほかの子育て家族に貸し出して家賃収入を得る資産として活用できる。子育てしやすい環境にある住宅なら、子育て中の家族が借りるだろう。

長期優良住宅を扱う住宅会社の営業マンは、住宅寿命の90年後までを考慮した提案ができているだろうか。ローン返済期間のわずか35年の資金計画、住宅取得者の寿命に合わせたわずか50年のライフプランだけで、良質な高耐久の住宅を売ろうとすれば、安くて寿命の短い住宅に売り負けるのは当然だ。

長期優良住宅は、住宅取得者が亡くなった後も子や孫に住宅資産として残せる。JTIは、借り上げ制度などを通じて、家賃収入などの支援をしている。90年後も資産価値が保てる住宅として90年間の資金計画が提案できれば、住宅の売り方も変わるだろう。

2018年07月12日付4面から抜粋
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2018年12月25日 住宅産業新聞社 編集部

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