【夏季特集2017】リビングの工夫で疲労回復効果、生活様式変化で高い天井にニーズ、健康寿命の延伸も視野

リビングは、住まい手がリラックスして多くの時間を過ごす居室。その居住性・快適性に加え、疲労回復といった身体にプラスの影響を示せないか。

積水ハウスの空間提案「スローリビング」は、大開口とキャノビーなどで外と内を緩やかにつなぐ中間領域を設けていることが特徴だ。その開発は、2009年に京都の町家を視察し、伝統的な日本の住宅にある要素を抽出することから始まった。

その結果、日本人は、大開口で軒の出があり、低い天井や室内に行くにしたがって暗い部分が存在する空間を心地よいと感じ落ち着く。

日本の住宅の良さを決める3要素は「軒の出、大開口、低い天井」(総合住宅研究所の近藤雅之健康・UD研究開発グループ課長)だという。さらに、09年には大阪市立大医学部と共同研究し、京都市左京区の円通寺における壁がない開放的な広い空間と同社シャーメゾンの一般的な居室で疲労回復効果を実験したところ、爽快感、快適さ、リラックスなどを表す数値が大幅に上昇したことが確認された。

さらに、10年に自然を身近に感じるリビング(スローリビング)と通常のリビングで実験したところ、スローリビングは被験者の疲労回復やパフォーマンス向上が観測され、「生理的に良い結果」(近藤氏)が得られた。

同じ体積なら、天井が高い方が人は広く感じる。東京大学大学院の西出和彦教授は、同じ体積で天井高が異なる2つの部屋を用意して実験したところ、天井が高い部屋の方が10%ほど大きいと認知されるとの実験結果を得ている。

また、実大モデルの実験や実際に天井が高い家で調査を行った結果「天井が低いと落ち着いた感覚が得られて、親しみが持てるという意見がある一方で、天井が高いと開放感が得られて、大勢で過ごしても息苦しさを感じないという意見を頂くことができた」(大崎淳史東京電気大学准教授)という。

2017年07月13日付4面から抜粋
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2018年12月25日 住宅産業新聞社 編集部

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