【新年特集2016】都市型住宅と木造住宅にみる新築の可能性

都市型住宅、カギは提案力

この展示場に出展するモデルハウスは3階建て以上、不燃化地域に対応した耐火基準を満たしており、旭化成ホームズや積水ハウスも出展。さらに、住友林業、大和ハウス工業、桧家住宅のモデルハウスも順次オープンし、4月23日には全6棟が完成する予定だ。

都市部での展開を加速するハウスメーカーは、パナホームが7階建てまで対応する重量鉄骨の「ビューノ」で多層階のニーズを取り込み、積水ハウスが4階建てで型式認定を取得して迅速化を図るなど競争が激しくなっている。

こうした中で、1981年から重量鉄骨造とALC(軽量発泡コンクリート)の3階建て住宅を展開し、高い競争力を維持しているのが旭化成ホームズだ。

同社の3階建ては、86年から本格展開しており、30年以上の実績がある。エリアを限定した展開で、都市型住宅を供給するハウスメーカーとして大手の一角を占めているが、そもそも都市部では、敷地が狭く、敷地周辺も建て詰まっているため耐震・防火といった住まいのニーズがあり、それらを解決するという形でハードやソフトを構築していった面が強い。

ハード面では、道路条件や敷地条件が厳しく、鉄骨が搬入しにくい場所でも、小型車両で鉄骨を運べるよう通常より短い1階分の長さの鉄骨を使いながらも、ジョイント部分の強度を保つ独自構法を開発した。

一方、2000年代からは、耐震性・耐火性といったハード面から、ライフスタイルや生活面の困りごとの解消などソフト面に訴求ポイントをシフトしていった。現在では、エリアの事情や顧客が気づかない生活面での不便さなど「ソフト面での提案が主流になっている」(旭化成ホームズ)。

都心の密集地では、メーカーが想定した仕様と異なる使い方をする顧客もおり、「3階建てでは顕在化しやすい」(同)という。こうした使い方をフィードバックし、新たな商品開発や提案につなげている。

店舗併用にせよ賃貸併用にせよ、二世帯住宅にせよ都市型住宅でカギとなる提案力は、ノウハウの地道な積み重ねで得られるものと言えそうだ。

2016年01月01日付2面から抜粋
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2018年12月25日 住宅産業新聞社 編集部

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