平成28年度税制改正大綱、住宅業界の願い届かず 将来の負担軽減に含みも

しかし、与党サイドは「食料品だけでも、これだけ揉めているのに、住宅(への適用の可否)なんて踏み込めない」と冷ややかな反応だった。
同様に、住宅産業界にも「現実論でいけば、経過措置が終了する16年9月30日までの時間では制度設計自体物理的に無理」という見方が主流を占めていた。
それゆえ、28年度大綱ではあくまで軽減税率を求めていくが、仮に住宅への適用がなかったとしても、とりあえず対処療法的な施策を確保。その上で、恒久的な負担軽減策について「翌29年度の要望時にもつながるような〝文言〟を大綱に書き込んでもらう」という二段構えでいくことで、コンセンサスが得られていたのも事実。軽減税率一本やりでは、時間切れとなった場合にすべてを失うことになりかねないとの懸念からだ。
その意味で、住団連幹部が「絶対に譲れない」と力を込めたのが、税制大綱への「住宅取得に対する恒久的な負担軽減策の検討」の一文の書き込み。「消費税の〝山(駆け込み)も谷(反動)も作らない〟施策の実現を大綱に盛り込んでもらう」ための施策。それも「あくまで予算措置ではなく税方式で」と強調する。予算だと単年度で終わるが、税制の本則で組み込めれば次に改正されるまでは継続適用されるからだ。消費税率が、この先も10%で収まることはありえないとの認識に基づく。「将来、税率15%や20%へのアップもあり得ることを踏まえての担保」という。
業界としては、住宅取得資金に係る贈与税の非課税措置などが、景気対策という側面での業界の思惑と違い、反動減対策として使われたのが実際のところ。8%へのアップ時に実施された、ローン減税の上乗せや給付金の実施、フラット35の金利抑制などの手段も、結局駆け込みと反動減は防げなかった、とみる。
「贈与税の枠拡大には一定の効果があったが、もともと使う人が限られていて、ボリューム(使う人の数)は増えない。例えば、贈与があったから3千万円の家を5千万円の家にしようという効果があったかもしれないが、贈与税枠を使うはずのない人へ波及するわけではない」ためだ。

2015年12月24日付1面から抜粋
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2018年12月25日 住宅産業新聞社 編集部

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